コラム

あなたに合う終活とは【遺言相続】

勝手にして頂戴

あの方らしいな、と思うことがありました。

「自分が死んだあとのことなんて、知りません。勝手にして頂戴」

元気で茶目っ気のある、今風に言えばツンデレのおひとり様の御婦人(仮名:A様)でした。

御自身の名義で不動産をいくつも所有されており、財産を引き継ぐお子様や配偶者、パートナーらしき方はないけれど、

姪っ子さんなどの御親戚はいらっしゃるご様子。

御親戚の方は、不動産などの財産の処分について心配されていたようですが、

「私はもうなにもしない。万が一の場合は勝手に処分すればよい」の一点張りでした。

 

後から発見された手紙

年末、冷え込みが厳しくなってきたある日、A様の訃報が突然入ってきました。

持病で入院し、帰らぬ人となったとのことで、ご本人は自宅へ帰りたい帰りたいとずっとおっしゃっていたという話を伺ったとき、胸が苦しくなりました。

そして、ご遺族によると「遺言書らしき封書がみつかった」とのことなのです。

ふと、いかにもあの方らしいなと感じました。

 

さて、法律面での手続きのお話にはなりますが、

ご遺族はその手紙を「自筆証書遺言」として家庭裁判所へもっていくことなりました。

家庭裁判所から「間違いなく本人が書いた」などのお墨付きをもらって、初めて法的に効力のある遺言書となるからです。

家庭裁判所で手紙が開封され、遺言書の中身が確認されます。

中身の確認がおわるまで、関係者はひたすら待ちます。

年の瀬が過ぎ、桜の花が咲きかかってきた頃、ようやく裁判所の確認(検認)は終わりました。

最終的には3ヶ月と少し、かかったでしょうか。検認の手続きを経て、関係者はようやく「遺言」の「執行」に取り掛かれます。

遺言書と認められたお手紙には、不動産を姪御さんに引き継いでもらいたいなど、きちんとした記載がありました。

法律事務の手続きに関係する親戚の方々が10名足らずいらっしゃることも判明し、全員が短い時間で慌てて対応することとなりました。

自分に合った終活とは

遺言書を書くために行政書士などの事務所に相談へ行くのはハードルが高い、それは間違いありません。

遺言書の種類には3つあるいは4つある、などと説明されたとしても、どれが自分に合っているのかどう判断すればよいのか、どこまで何を考えておけばよいのか…

財産のことを細かく確認し、戸籍や不動産登記簿の謄本を確認するなど、いろいろと不慣れな情報を整理しなくてはならないというのは、悪い言い方かもしれませんが面倒です。

第三者に相談する前に終活全般についておおよそのことをざっくり知っておくことはできないか。

こうしたご要望に応え、アガサ行政書士事務所では、情報を整理するための「終活リスク診断」を用意しております。

ご興味ございましたら下記よりお気軽にお問合せください。

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参考文献:民法第968条、遺言書の検認(裁判所HPより)、自筆証書遺言に関するルールが変わります(法務省HPより)

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